李小龍俱樂部について

名誉会長メッセージ

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名誉会長メッセージ

ブルースがこの世を去ってから三十年あまりが経ちました。ともに過ごした日々は短いものでしたが、彼の伝説は永遠に色あせることがありません。ブルースの弟として、李家の使命として、私はブルースの輝かしい遺産を良い状態で保存し、世界中のファンの皆さまと生前のブルースのことを分かち合う責任があると思っています。私たち李家は、香港ブルース・リークラブの皆さんがブルースの精神を広め続けて頂いていることに、心から感謝しております。また、私もこのような大きな組織の名誉主席に預かり、大変光栄に思っております。

　ブルースの死後、世界中で様々なブルース・リーのファンクラブが結成されました。どの団体も積極的にその役割を果たしてくださっていますが、私たち李家が最も誇らしいのは、やはり香港ブルース・リークラブの皆さんです。

　ブルースはアメリカで生まれましたが、彼が本当の意味で慧眼し、誰もが認める武術家とならしめた場所は香港にほかなりません。天才子役から武術の達人の青年へと育ててくれた香港を、ブルースは自分の故郷だと思っています。皆さんもご存知のように、ブルースは少年時代、他人との衝突が絶えず、私たち家族は心配をしたものでした。しかしながら、ブルースは中国武術の道を選び、自らが勝利者であることを証明しました。ブルースが香港を離れた理由はいくつかありますが、彼はアメリカへ発った後、自分を育ててくれた、優れた中国文化を積極的に西側諸国に紹介していました。

　ブルースは香港に戻ると、一夜にして国際的なスターになりました。ただ彼はスターになっても映画を通じ、中国人が経験してきた苦難や抑圧の中での正義を表現しつづけました。映画の中で、彼は常に中華文化や、中国哲学の美を最も重要なものとして表現していました。

　三十年後の今日、私たちはどのようにブルースの一生を記念するのか。彼に何を返せるのかと考えますが、いろいろな答えがあるでしょう。ただ一番重要なのは、世界中にこれほど多くの人がブルース・リーを英雄とあがめているのだということを、新たなファンの方々に対して、いかにして伝えていくかということです。私たち李家は、誰もがそこへ行けば、もっとブルース・リーとその偉業を知ることができる場所をいつか作りたい、香港にブルース・リー記念館を建設したいと考えております。そうすることで、名実ともに香港がブルース・リーの故郷となるのです。ですから皆さんから尊敬されるような形でブルース・リーの一生を記念して、彼のための記念館が必要なのです。

　これまで、私たち李家はブルース・リーの一生について、書籍化や映画化をしていません。ブルース・リーの物語は最良のタイミングと場所で紡がれるものだ、それこそがブルース・リーの記憶を尊重することだと考えているからです。そして三十年の時を経た今日、私たちはその機は熟していると考えています。そう遠くない将来、李家は全世界のブルース・リーファンの皆様と、香港において私たちの記憶を分かち合い、展示品をご覧になって頂いて、もっとブルースのことを知ってほしいと思うのです。

　最後に、三十年来ブルース・リーへの情熱の炎をずっと上げ続けてくださっているすべてのファンの皆様に、敬意を表したいと思います。ブルースは皆さんのことを誇りに思い、そして皆さんの知識欲を称え、皆さんが自らのジークンドーの道を探しあてることを期待しているでしょう。振り返ればこの三十年来、李家が日頃ブルースのことを考えている間、皆さんもブルース・リーの精神と遺産を守り続けてくださいました。皆さんには改めまして、心から御礼を申し上げます。

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